※2/20 量子編を投稿しました.合わせてお読みください!
目次
JSAPは超電導・キュリーワイス学会の略なのか!
これを書こうと思い立ったのは昼の3時。
北大の応用物理学会会場から出る時だ。
(なんじゃあれ!!!カテゴリ偏りすぎじゃない???!!!)
(超電導・キュリーワイス学会じゃん!!!!!!!!)
(プラズマ(自分の卒研)の発表1個しかないしさ!!)
(おほぉぉぉおおおおおおおおおお↑↑↑↑↑)
と心の中で叫びながら、発表が理解できなかった悔しさもあり
せめて、軌道磁気モーメントだけでも倒そうと思い
今に至る。行くぞ。
力のモーメント
質点系の力学において、ある基準点から質点までの距離をr,質点に働く力をFとすると、その基準点における物体の力のモーメントTは
T=r×F
と定義された。ここで、×はベクトル積(外積)である。
力学ではこのように定義し、角運動量や剛体の力学へと発展していく。
これを電磁気学において類推適用したものが磁気モーメントである。
古典的な磁気の性質
「磁気」とは超絶平たく言えば「磁力線のこと」である。
もう少し真面目に書けば磁石のS極か電子を移動させることによって影響が及ばされる場である。とも書けるが、
「あぁあのー磁石の周りにコンパス置いて書いたやつっしょ?」
程度でOKです。
そして、その磁場の発生源はどこなのでしょうか?
先ほど書いた、電子を移動(電流)させて磁場ができるのは明らかに
電子が原因であるが、磁石は何が原因で磁力線を発しているのだろうか?
ここが、磁石の不思議なところで、何もエネルギーの損失がないのに
常に場に影響を及ぼしているのです。これって実はとっても不思議なことで
紀元前から悩んでたっぽい。(本格的に解析し始めたのはなんと2000年に入ってかららしい、自分もびっくりした)
そして、昔の人は、磁石の磁場の正体は原子を回っている電子だとしました。
これでもマクロの電磁気は記述できました。マクスウェル方程式も1864年だし。
話がそれたが、とにかく、自明な電流の磁場は置いといて
磁石の磁場について議論する。
古典的磁気モーメント
以上の準備から磁石内部の電子について議論する。
まず、原子由来の磁場について。各種変数を以下のように定義する。
まず、電子が原子核を一周する間に流れる時間t[s]は
vt=2πr
より電流I[A]は
I=-ev/2πr
と書けます。ここでr,vは先ほどのrとvの大きさである。
そして、外部磁場と電流の関係式、フレミングの左手の法則より
微小円弧drに働く力dFは
dF=IdS×μ0H
と書ける。ここで、dSは微小円弧によって生じる微小面積、μ0が磁気モーメントである。
これと半径とのベクトル積を取り、周回積分することでトルクが求まり、未整理ではあるが(古典的)磁気モーメントが導出できる。
しかし、こやつ。なかなか曲者なのだ。
微小円弧drにおけるトルクdTは
dT=r×dF=r×IdS×μ0H=μ0I(r×dS×H)
となります、これを周回積分してトルクTを導出するのですが、この計算が中々厄介で
T=∲dT=μ0I∲(r×dS×H)
をしなければいけないのよ。やりたくないね。
ということで、すでに計算をされているところがあったので
そちらから拝借。
ここの計算はちょっとわかりにくいので,下に計算方法を示しました。 |
のところにあるみたいです。ありがとうございます人。いつか書きたいなぁ。。。
結果を書くと
T=IS×μ0H
となります。
次に、磁石というのを仮想的に長さr[m]の磁束密度±W[wb]の二つの単磁荷が磁石と等価であるとする。
ここで、仮想的という言葉を使ったのは単磁荷がまだ見つかっていないからである。
この辺、面白いよ。ぐへへ。
そして、中心軸周りでのトルクT[Nm]は
T=Wr×H=μ×H
となります。
そして、原子から求めたトルクにおいて
S=Sn
とします。これはnが電流を囲むSの法線ベクトルであり
単磁荷で想定したモデルは原子と同様に考えるため
面積ベクトルSが電流が流れる面に対して垂直でなければいけないためこうしました。
そして、単磁荷から求めたトルクの大きさを比較すると
μ=μ0ISn
なるのです。
これが古典的磁気モーメントです。
次回はこれに量子論の醍醐味である離散の情報を加えていきます。
そんな時間はあるのか自分!卒研やりなさい!!