怖くないスピン軌道相互作用(古典的説明)

スピン軌道相互作用(SOT)は

磁性の根源であり

今やこれを利用した製品も出つつある。

が、しかし

あれさ、難しくない?

私は最近までよう分っとらんかった。

そこで、最近磁性のラボに入った半導体系学科のB4

編入先で磁性のラボを検討している高専生に向けて

定性的な理解の助けとなるよう書いてみた。

数式が得意な人にとっては、初歩的なことしか書いていないと思いますが

もし間違っていれば優しく教えてください。

では、書いていきましょう。

パワポ一枚にまとめました、下の方にあります。

「軌道」の意味するところ

荷電粒子が相対的に運動していることを

軌道運動と言って、その軌道運動を略して、軌道と言ってます。

スピン軌道相互作用の登場人物は、電子と原子核です。

両者は共に荷電粒子ですが

スピン軌道相互作用において、相対的に運動しているのは

原子核の方です。

(ん?動いているのは電子の方では?)

そう思ったあなた、正解です。

スピン軌道相互作用は、相対論的効果で、原点とするのは電子です。

これはつまり、軌道運動しているのは電子スピンから見た原子核になり、

軌道と呼んでいるのは、原子核の運動のことを言うわけです。

これは天動説と地動説と大体同じ話です。

実際は太陽の周りを地球が回っているのに

僕らが地球に住んでいるせいで、太陽が回っているように見える。

「軌道」が電子スピンにどのような影響を及ぼすか

軌道運動が、電子スピンに及ぼす影響は複雑ですが

とりあえず、古典的解釈の範囲では

軌道運動中の荷電粒子からビオ・ザパールの法則によって記述出来る磁場が発生し

電子スピンの向きの変化等の影響を受ける。

と考えれば良いかと思います。

SOTの「相互」を理解するためには、縮退の概念とゼーマン効果の理解が必要です。

何で「相互」なのか、スピン状態が軌道運動に影響を与えているのか

結論は、影響を、与えています。

なぜなら磁場中にある荷電粒子(電子)のエネルギーは、外部磁場により上下し、それに応じて原子核のエネルギーも変化するからです。

これを簡単に書いてみたのが以下の画像である。

スピン軌道相互作用の概略図

適宜参照しながら呼んでいくと良いと思う。

うむ、解説していこう

元々、スピン軌道相互作用における軌道運動とは、

原子核が電子の周りを運動することを意味していた。

これは運動量pの原子核が運動している、ということです

荷電粒子である原子核は、運動により磁場を発生させ、

その磁場によって電子はゼーマン効果によって

エネルギー準位の縮退が解け

スピン状態に依存するエネルギー準位が出現し

電子のエネルギーが変化する。

(出現、というのは正しい表記ではない、元は重なっている)<-縮退

原子核の運動量は電子から見てpだった。

但し今回は相対論的な効果を論じているので

電子のエネルギーが変化すると、

電子の運動量も変化する

原子核の運動量も「見かけ上」変化する事になる。(下記に補足)

これは結果的に、スピン状態によって軌道運動が変化する、と言える。

「見かけ上」について具体例を交えて補足しましょう、

並走する車を考えてみましょう。

==(車A・80km/hで等速運動中) 車Bから見ると速さ40km/hで走行しているように見える

~(車B・40km/hで等速運動中)

という時に、車Bの速さが10km/h遅くなると

==(車A・80km/hで等速運動中) 車Bから見ると速さ40+10km/hで走行しているように見える

~(車B・30km/hで等速運動中)

となって相対的に車Aは早くなる。

みたいな

感じ。

一般的な相対系の理解で足りるところかなと思います

主は思う。

こういう理論って言われたら納得するけど、どうやったら思いつくようになるんだろうね。思いつくような人になりたい…

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