今回は「実験中のミスを未然に防ぐ方法」ついて書いていきます。
ミスは誰にでもありますが、なるべく避けたいものです。
自分自身、何度もミスをして痛い目にあってきました。
そこで、研究で培った
ミスを防止するために心がけている5つの方法を紹介していこうと思います。
目次
心身の調子を整えよう
日付変更までには寝ましょう、寝酒/深酒はやめましょう。
3食決まった時間に、バランス良く食べましょう。
ちなみに、実験前のカフェインはオススメしません。
興奮状態になっても
気持ちがHiになるだけで
注意散漫になり、装置の警報を見落としたり実験上の注意点を忘れしてしまう恐れがあるからです。
自然体で臨むのがオススメです。
必要かもしれない機材は「とりあえず」持っていく
(今日やる実験は大抵、状況Aになる…でも状況BやCの可能性もなくはない…….)
という時
面倒くさがらず、状況B及びCで必要になる機材を持っていきましょう。
機材がある部屋を出てしまった後で思い出したなら、引き返しましょう。
気持ちは分かる。でも戻ろう。
実験系によっては重かったり搬出が面倒かもしれない
しかし、機材が必要になってからでは遅い事も多い。
状況BやCの実験を一時中断すれば何とかなるかもしれないが
そうなると、考えることが一気に増える。
中断中に他の人が実験器具に触れて事故にならないか…そもそも自分はこの場を離れていいのか…機材の搬出時間はX分だからその間試料表面の変化は………..
などなど。
そうなる前に、起こりうる状況で必要になる機材は、とりあえず持っていこう。
一つでも十分な消耗品は「複数」持っていく
一般に消耗品と呼ばれるようなものは
薬包紙, 試料ケース, ダイアモンドチップ あたりだろうか。
実験毎に捨てるのが普通なので可能なら複数持っていくべきでしょう。
しかし、なぜ複数持っていなければならないのでしょう?
試料ケースを例に考えてみよう。
例えば割れてはいけない試料が二つに割れてしまった、としよう。
片方は綺麗で測定も可能な状態だが、もう片方は表面が汚染され他の試料とは別にしておきたくなったが
なんと試料ケースは1つしかない….
ここから離れるわけにもいかないので、仕方なく両サンプルを試料ケースにいっしょくたに入れ
実験をやり直すことにした。
ということがある。
基本的に、これらの思考実験は大体現実になる。なぜか。
特に条件出し等の、「複雑ではないが準備に時間がかかる」実験で起きやすい。
気をつけて欲しい。
忘れやすいものは目のつく所に置こう
準備はしてたのに、持ってくるのを忘れてにゃーん、になるパターン。
これもまた、実験精度を落とすことに繋がりかねない。
ドアの近くだとか、実験機材を収納しておく場所の目立つ場所に置いておこう。
暗所・冷所保管のものは、物自体を目立つ場所においておけないので、スマホにメモしておこう。
実験効率化に必要なら、価格帯を検索しおねだりしてみよう!(意外と買ってくれる)
科研費(若手研究)の予算は年額で100~200万円ぐらいだ 参照:領域番号18K14113
この金額は、安めの分光器や光学部品その他などの塩梅によるけど
少なくとも数万円程度のものを買うには十分な金額だ。
数万円というと、学生からすると大金だし
教員だって私費で買い物をする場合はすぐには出さないと思う。
しかし相手は研究だ。人依存・環境依存との戦いだ。
もし数万円で解決できるなら、先生は喜んでお金を出すだろう。
それを保管する乾燥機能付き保管庫も7000円程度で買える
また、ピンセットなどの試料に直接触れる器具も1万円以内で買える
欲しい器具の値段は以下のサイトで調べよう。
AXEL: AS ONE直販サイト リンク
モノタロウ リンク
ASKUL リンク
マルツオンライン: 電子部品系 リンク
↓おすすめはしないが利用できるサイト
Amazon: 理化学機器の品揃えが悪い 発注システム上利用できない大学も有り
RS-components: 電子部品系 謎に定価の2割増しで売ってくる リンク
まとめ
まとめです。伝えたかったことは
- 心身の調子を整えよう
- 必要かもしれない機材は「とりあえず」持っていく
- 一つでも十分な消耗品は「複数」持っていく
- 忘れやすい機材は目のつく所に置こう
- 実験効率化に必要なら、指導教官におねだりしてみよう
です。
当たり前ながらも、やらなくなった途端に上手くいかなくなる事項たちで
つらつらと書いてみました。
最後に一つ。
研究活動では、大学で、日本で、世界で自分しか作れない試料が出てくることもある。
もしそのような試料を作る立場になったとき
ミスを減らすことができるのは、自分しかいない。
大きな責任を伴う。
ただそのような立場にいる人には、何かしらの優遇を要求する権利があると私は考えています。
例えば設備を要求したり人員を要求したり。それらが無理なら、時間を要求したり。
得られた人・もの・時間を活用して
周囲も自分も最大限に進化させ
よい試料を作っていきましょう!