いっけな~い!遅刻遅刻~!を力学的に考えてみた

目次

原点はポプテテピック

唐突だが

成人式直前の1/7の午前中.何を思ったかポプテピピックを見てしまった.

アニメ自体の評論はするまでもないでしょう.

ふんだんに取り入れられたネタ,ネタ,ネタの嵐でしたが,

自分が注目したのはここ

ポプ子がパンを咥えながら

失踪して

イテテ・・・となるまでのこれ.

数多くのアニメでヒロインと主人公の出会いに用いられてきました.

この描写.実は不可解な点があります.

パン,どこに行ったの?

です.

まぁPPTPのことだし?と一言で片づけてしまえば

終わるが、ここは理系.

運動方程式,立ててみましょうかぁ(とてもうれしそうなかお).

前提条件と各種変数

まず、前提条件として

ポプ子及びピピ美は衝突前,加速度零で運動

衝突によるエネルギー損失はない

ポプ子は衝突直後にパンを口から離したとする.

座標軸は直交座標系(右手系)

衝突前のポプ子の運動方向をx軸正の向き,衝突前のピピ美の運動方向をy軸正の向き

とする.

また、PPTP1話に従って、パンを加えているのはポプ子とする

そして各種変数を

\(m_{girl}\):ポプ子の質量

\(m_{boy}\):ピピ美の質量

\(m_{bread}\):パンの質量

\(v_{girl}\):ポプ子の速さ

\(v_{boy}\):ピピ美の速さ

\(x\):x軸上での位置

\(y\):y軸上での位置

\(z\):z軸上での位置

とする.ピピ美がboyなのは気にしてはいけない.

気にしてはいけない.

力学的作用を考えてみる

序論

時刻\(t=t^{‘}\)にポプ子とピピ美が衝突するが

ピピ美は転倒せず、ポプ子が転んでいる.

つまり衝突後、ポプ子はピピ美よりも余計に運動することになる.

(自分はここで弾性衝突と書こうかなと一回思いましたが安易に用語を使うのも

どうかと思ったので使いませんでしたが,実際どうなんでしょう?)

パンはポプ子がこの余計な運動を止めるために働かせる力

によりふっとんでいく、と考えるのが自然である.

これからこの力について求め,地面についたときのパンがどの位置にあるか求める.

ちなみにこれはパンからすれば慣性力である.

本論

まず、衝突後のポプ子の運動は\(v_{girl}\)と\(v_{boy}\)の向きを考慮した和であ

る.衝突後のポプ子の速度を仮に\(v\)とすればその成分は

$$v = (v_{girl}, v_{boy})$$

と書ける.

次に、

これはポプ子が衝突直後に止まろうと足がもたついてしまう(であろう)からだ.

口から離した瞬間のパンの運動方程式をx,y,zそれぞれの軸について書くと

$$F_x=0=m_{bread}\frac{d^2 x}{dt^2}$$

$$F_y=0=m_{bread}\frac{d^2 y}{dt^2}$$

$$F_z=-m_{bread}g=m_{bread}\frac{d^2 z}{dt^2}$$

となる.ここで\(F_x\),\(F_y\),\(F_z\)はパンにかかる力である.

ここまで来てしまえば初期条件に気を付けて微分方程式を解くだけである.

但し,簡単のため,時刻はt^{‘}を基準に取り直している.

まず、\(m_{bread}\)を消去し,x成分の運動方程式を両辺\(t\)で積分すれば

$$C_1=\frac{dx}{dt}$$

となる.初期条件\(t=0\)において\(\frac{dx(0)}{dt}=v_{girl}\)なので

$$C_1=v_{girl}$$

であるから

$$v_{girl}=\frac{dx}{dt}$$

となる.さらに両辺\(t\)で積分すれば

$$v_{girl}t+C_2=x$$

となる.初期条件\(t=0\)において\(x(0)=0\)なので

$$x=v_{girl}t$$

となる.これをy,zについても同様に行うと

$$y=v_{boy}t$$

$$z=-\frac{1}{2m}gt^2+\frac{h}{m}$$

となる.ここで\(h\)は衝突前のパンのz軸方向の位置(ポプ子の口の高さ)である.

これで,運動方程式を解くことができた.もう少しです.

次に,今知りたいのはパンが地面に落ちた時の位置なので

z=0とパンが地面に落ちることは等価であるという条件を使って

地面に落ちる瞬間の時刻\(t=t^{”}\)を求めると

$$z=z(t)=z(t^{”})=-\frac{1}{2m}g{t^{”}}^2+\frac{h}{m}=0$$

$$t^{”}=\pm\sqrt\frac{2h}{g}$$

となる.\(t^{”}\)が負の領域は考えないので結局

$$t^{”}=\sqrt\frac{2h}{g}$$

となる.これを\(x\),\(y\)に代入すると

$$x=v_{girl}\sqrt\frac{2h}{g}$$

$$y=v_{boy}\sqrt\frac{2h}{g}$$

となるので,つまり,パンが落ちる位置rは

$$r =\sqrt\frac{2h}{g}(v_{girl},v_{boy},0)$$

・・・・・・パンの質量がないけどいいのかな

・・・いやいいんだ。自由落下は空気抵抗その他の要因がなければ

物体によって運動の様子は変わらないからいいんだ.

NASAの実験でもそうなってたしな。

(リンク先はNASAの動画です,一度は見るべき.

みんなめっちゃいい顔してる)

うん,いいんだよね,うん.

値を代入してパンの位置を導く

ということで、結局パンの位置は

$$r =\sqrt\frac{2h}{g}(v_{girl},v_{boy},0)$$

と書けた.(太字じゃないの許してLaTeXむずい)

ここからすぐに分かるのは物理定数である重力加速度のみで

他は推定か測定せねばならない.

なるべく測定で事をすませたいところだ.

何か、ないかとPPTPを\(6.022*10^{23}\)回見ていると

飛行機内のシーンがあった.

はいこれです.「えいえい、怒った?」の次のシーンです.

ここの、席の背もたれの高さからまずはポプ子の座高\(h_1\)を出してみよう.

まず,現実世界の(エコノミーとする)シートの高さは

45cmが世界標準らしいのでそのようにします。

そして、シートの高さと座高の比は

のように(おおまかに)定規を押し付けてはかった.

94:73でした.つまり,

ポプ子の座高は

$$94:73=45c:h_1$$

$$h_1\sim 35cm$$

となりました.あとは足の長さですが,ここのシーンを使いましょう.

座高はすでに分かっているので,先ほどと同様に

実測で比を求めてみます.すると,1:3でした.

座高が\(35cm\)だったので,足の長さ\(h_2\)はその\(\frac{1}{3}\)の

\(h_2=12.5cm\)となります.従ってポプ子の身長は

$$h=h_1+h_2=47.5cm$$と推定できる.ちっちゃいなおい.

そして\(v_{girl}\)と\(v_{girl}\)だが,こればかりは分からなかった.

速さを求めるのに必要な情報が分からなかった.

心理状況によっても走る速さ変わっちゃうしね.

なのでここはデータに頼りました.Thanks 厚労省.

中学2年せ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛の平均的な速さは

$$6.50m/s$$

としましょう.また,\(v_{girl}\)と\(v_{girl}\)は同じとします.

というのも,ピピ美も走っているからです.衝突直前に

と,なってて走ってるんですよ.ピピ美も.

ポプ子の資料でも,推定できなかったのに

ピピ美の推定とかできません.てことで,同じにします.

さて

長くなりました.各種変数の値が求まりました.

$$h=47.5cm$$

$$v_{girl}=v_{boy}=6.50m/s$$

$$g=9.81m/s$$

これを代入します.自分もこれ書くのに時間かかったから

やっと感あるね.じゃあ、いくぜ.はい!!!

$$r =(20.2m,20.2m,0)$$

おお・・・えっと・・・え?

に、にじゅってんにめーとる??えそれってガードレール4枚分でっせ?

飛びすぎちゃいます・・・?

パンを吹き矢か何かと間違えてないですかね・・・

衝突地点からの距離で言えば28.5mだってよ.

ほんとにあってんのかこれー!???

まとめ

えー,ということで,現実世界で

いっけな~い!遅刻遅刻~!をやると

パンは衝突地点から

28.5mの位置まで吹っ飛びます.

よって,パンは画面外,あなたの右後ろに

くそみたいなパンがあるのです!!!!!!!!!!!!!

週明け学校のみんなに自慢しよう!!!!!!!!!!

・・・

助けてネット民.絶対にどこかに間違いがあるはずだ.

二番煎じと言わずやって.

自分は他の記事作成があるのと,リアルワークが迫っていてできない.

すまない.後は任した.

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